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Thu.

特集【北朝鮮崩壊を阻止する中国の存在】

【前書き】
 もう直ぐ師走です。最近、クリスマスソングを口ずさむことがあるんですが、みなさんにとって思い出のクリスマスソングは何でしょうか?私は、やっぱりワムのラストクリスマスでしょうか。何年経っても良い曲は良い^^) では、東亜ネタをどうぞ。

【あくまで抑止力として】
【かつて中国が核を保有しはじめた頃、アメリカは中国に先制攻撃をかけようとして断念した。以来アメリカは、「台湾独立」に好意的であり、さらにはそれを支援しながらも、反対するような素振りを続けざるを得なかった。中国との軍事衝突に至る可能性を意識したからだ。核を用いる衝突が起これば、双方にとって壊滅的な事態となることは言うまでもない。 そのダメージは、9・11の時とは比べ物にならないだろう。】
 私は核を脅威だと思います。故に抑止効果を持つ。もしも、核が抑止効果を持たなくなったら、つまり核を脅威と思わない事態が訪れたら、それは破滅の序章なのかもしれません。実際のところ、核戦争という言葉を想像したことはありません。「絶対に有り得ない」と心の底で決め付けているからでしょうか。核による被害は、被爆国である日本が一番理解していると思います。ただ、その被爆の傷跡も時と共に薄れ、忘れられようとしている気もする。中川発言に端を発した「核議論」は、議論そのものを否定する動きが大半でした。私としては、「何故、核保有がいけないのか!!」を明確に示す意味でも議論を行うべきだったと思う。日本の臆病さは、いまだ健在ということでしょう。
 
【核の無意味さ】
【一方、北朝鮮の側は、自国の安全は自ら確保すべきだと考えている。核兵器の開発と実験を行うことは、技術的にはたいして困難ではなかった。北朝鮮は充分な量の核分裂性物質を保有し、使用済み燃料から軍事用プルトニウムを化学的に抽出する能力を備えており、いくつもの(約10個の)広島型・長崎型の原子爆弾を作ることができる。第一世代型の核爆弾の製造法は、もはや入手不能ではない。北朝鮮は、起爆装置作りに必要な技術を既に習得済みなのだ。】
 私は、核保有反対論者です。煙草と一緒で、本人だけの快楽(利益)のために周囲の人を危険にさらすことに賛成できるはずがない。抑止効果で一時的に存在感を示している核保有国ですが、北朝鮮のように安易に保有国を増やすことを許してしまうと、核保有国のバランスが崩れることに繋がる。何より、米国は核のことを知り尽くしているでしょう。ただ、昨日今日作り出したような(実際は数年前から核開発を行っています)北朝鮮が核を持つことはとても危険です。自国民に麻薬を売りつけるような非道な国であり、必ず金儲けの道具として核が使われるでしょう。そして、密かに核拡散が起き、反米思想だけで冷静さを欠いたテロ組織が核を保有したときどうなるか?核戦争が起きるとすれば、その可能性が一番高いと思います。

【攻め込む理由】
【核保有国に対しては戦争を起こそうとしないアメリカだったが、3年前のイラク攻撃の際には躊躇しなかった。さらに遡った1999年春、アメリカと北大西洋条約機構(NATO)の一部諸国は、同じく大量破壊兵器を保有しないユーゴスラヴィアを爆撃した。いずれも国連の承認なしに、である。】
 イラク戦争には様々な背景があった。フセイン独裁政権下で迫害を受けてきたムスリム(シーア派、クルド人)は、イラク崩壊により解放された。ただ、イラク開戦理由だった「大量破壊兵器保有」は米政府による情報操作でのこと。ブッシュとしては、イラク侵攻の口実が情報操作だったのだろうか。戦争が収束し、イラク再建が行われているにも関わらず米兵死者数は3000名を超えている。もちろん、ブッシュ批判の声は高まっています。本音としては、北朝鮮にも攻め込みたいんでしょうね。戦争狂という性格でなかったにしろ、「自由のための戦争」と位置付けるかもしれない。私は、北朝鮮に強硬姿勢を求める立場として、北朝鮮が一日でも早く崩壊してくれることを望んでしまう。ただ、世間の目は確実に左傾化しています。「イラクの二の舞」を目の当たりにしたくない人が北朝鮮への柔軟姿勢を口にしているように思う。

【理想と現実の狭間】
【北朝鮮はこれらを見て、アジア太平洋地域におけるアメリカの施設に照準を合わせた核兵器を保有する必要を確信した。そうすれば、自国の安全保障を独自に確保できると考えたからだ。それは、この国の基本的な国家理念である「主体(チュチェ)思想」とも合致する。つまり、アメリカとの正常かつ友好的な外交関係の樹立も、中国やロシア、あるいはどこか他の国との特別な関係の構築も当てにしないということだ。】
 チュチェ思想?始めて聞きましたが、世界の主人公にでもなりたいのでしょうか。北朝鮮を見ていると、あまりにも理想と現実が掛け離れていることに呆れるばかりです。北朝鮮は、他国から食糧支援を受けないと住民を餓死させる危険があるにも関わらず、「地上の楽園」などと馬鹿げた定義をする国です。(誰も認めていませんが)北朝鮮が核保有国になったくらいで、世界の中心にいることを確信するのか。ん~痛過ぎます。

【当たらずとも遠からずか】
【北朝鮮が、アメリカの攻撃はないだろうと踏んだ根拠は、大別すれば5つある。第一に、北朝鮮の核による抑止効果。第二に、北朝鮮の通常戦力による抑止効果。第三に、アメリカの同盟国である韓国からの反対。第四に中国やロシアといった国の反発。第五にはイラクの状況、イランの核問題、そして全般的に不安定な中東情勢が、アメリカに同時多発的に課している制約である。】
 全てを否定する気はないですが…イラク戦争の失敗により、ブッシュの強硬姿勢に異論を唱える人が増えたことは確かで、北朝鮮は同じ悪の枢軸国でありながら、順番的に救われた形ですね。北朝鮮がもっと早く核開発に踏み切っていれば、イラクではなく北朝鮮が標的になっていた可能性もある。(911同時多発テロの背景には、テロ組織が存在があったので、必ずしも北朝鮮が狙われたとは限らないですが)

【見掛け倒しだったりして】
【核の抑止効果については詳細に述べる必要もないが、北朝鮮の場合、通常戦力もまた非常に大きな役割を果たしている。北朝鮮は100万人規模の軍に加え、500万の戦闘員からなる準軍事機構を持っている。これらが展開されて攻撃態勢をとるならば、韓国と在韓米軍にとって重大な事態となる。アメリカはクリントン大統領時代(1993-2001年)に、金正日政権の転覆に必要なコストを試算している。10万人の兵員を失い、直接的には1000億ドル、間接的には1兆ドルの出費が必要になるという。これは到底受け入れがたいコストである。】
 北朝鮮は、核保有しなくても通常兵器の軍事力で米国が脅威と見なしている、と。並べられた数字を単純計算すれば、北朝鮮侵攻が大きなリスクを伴うものだと答えがでるかもしれない。ただ、実効性には疑問がある。北朝鮮は、貧困国です。対北経済制裁も強化され、更に追い込まれている状況で軍隊が機能するのだろうか?ただ、対北制裁が強化されれば兵糧攻めも可能ですが、実際は中韓が支援している。中国に関しては、北朝鮮と石油パイプラインが繋がっており、北朝鮮が使う石油の9割は中国に頼っている。対北制裁の一貫なのか、今年9月に石油輸出は行わなかったのに、10月には通常月より割増の石油を北朝鮮に送っている。中韓の立場は明確であり、今後6か国協議でも日米と対抗姿勢を構えることは必至だと思われる。

【米国が見ているもの】
【北朝鮮のノドン型のミサイルは、日本に対する充分な威嚇となる。以上の要因からして、もしアメリカが平壌に対して攻撃を企てれば、確実に韓国、そしておそらく日本の反対にあうだろう。中国とロシアもアメリカの「先制」攻撃に異論を唱えることは確実だ。中国と北朝鮮は、1961年に友好協力相互援助条約を結んでいる。この条約は現在でも有効であり、修正あるいは破棄には両者の合意を必要とする。従って北朝鮮が侵攻された場合、中国はこの条約上の同盟国を支援する義務を負う。そしてアメリカは、北朝鮮が大量破壊兵器を保有しているというだけの理由で、中国と再び交戦するようなことは望んでいない。】
 この文章から分かるのは、「米国は中国との対立を避けたい」ということ。まぁ、中国側からの見解なので米国の本音がどこにあるかは分からない。ただ、中朝の友好協力相互援助条約とは面倒なものがありますね。どういう理由であれ、中国は北朝鮮を支援する側に回る約束事でしょう。もちろん、米国としても北朝鮮を見れば中国も視界に入っているわけで、そんな後ろ盾の存在が単純に侵攻できない理由かもしれない。ただ、中国の強気な姿勢の裏腹には、米国との対立関係を避けたい気持ちもうかがえます。

【北朝鮮の位置】
【北朝鮮は、中国が朝鮮半島の安定重視の観点から、同国の「体制転換」を回避する方向に動くと読んでいるに違いない。それが的を射ているとすれば、中国は隣国の核実験が引き起こす結果を否応なしに甘受せざるを得ない。北朝鮮の指導部はさらにロシアについても、今回の核実験が間違いなく不愉快であったにしろ、それほどの制裁を加えてはこないと見ている。ロシアは北朝鮮と複雑な関係を保っているため、アメリカがこのアジアの隣国に軍事力を行使するような真似に出れば、「地政的安全保障」の見地から断固として非難するだろう。】
 北朝鮮とロシアの複雑な関係とは、あまり思い当たるふしがありませんが、中国が北朝鮮を支援する理由は在韓米軍との対峙を避けるためでしょう。北朝鮮が崩壊したら、中国国境に在韓米軍が配置される可能性もある。その緊張を避けるために中国としては、北朝鮮が崩壊しない程度に支援する理由がある。

【既成事実化をどう避けるか】
【北朝鮮指導部は、以上の要因を考え合わせた結果、核実験を決行してもそれほど不利な事態にはならないと判断した。アメリカから核攻撃を受けるおそれは実際にはないし、「国際社会」が深刻な経済制裁を科してくる心配もない。従ってしばらくの間、実害のない程度の国際的制裁措置を被った後に、核保有国クラブの事実上のメンバーに加われるだろう。インドやパキスタンが、1998年の実験の数年後に、友好と尊重をもって遇される諸国の一員に復帰したのと同じことだ。】
 こういうことが中国側から述べられている時点で、中国は北朝鮮擁護の立場にいることを現していますね。北朝鮮の核保有を既成事実化させない手段が必要なわけですが、国連主導による対北制裁も各国の判断に委ねられる点が甘いと思う。中韓の支援を断ち切らなければ、確実に金正日政権はノウノウと生き続けるだろうし、北朝鮮の核保有を批判する声も次第に薄れていくでしょう。怖い現実ですね。

【中朝関係をどうにかしたい】
【中国の側には、ほとんどと言っていいほど選択肢がない。安全保障に関する中国と北朝鮮の関係は、片側通行ではないからだ。確かに、核軍備計画を断念させるための12年間にわたる中国の努力は、水泡に帰した。とはいえ、北朝鮮の追求する国益が中国の基本的な利益を害さない限り、中国としては北朝鮮に過大なプレッシャーはかけられず、北朝鮮が独自の行動をとるのを阻止できない。】
 どうにかしたいって言ってもしょうがないわけですが^^; 利害の一致とは面倒な関係です。中国にとって、北朝鮮は飼い犬同然だと思ったのですが、それほどちっぽけではないようです。私が思う「金正日政権崩壊」の気持ち以上に、中国が「政権存続」に力を入れていたら、当然圧力と支援で強い方が勝ってしまう。日本としては、中国の支援以上に北朝鮮に制裁を加えることができるのか。手っ取り早く中国を批判した方が良いと思うんですが、日本外務省から歯切れの良い中国批判なんて聞けないでしょうね。どうにも態勢不利な予感がしてきました。

【北朝鮮の暴走】
【もしも北朝鮮が新たに核実験を行えば、中国としても、北朝鮮にとって打撃となるような国際的制裁(核技術の輸出入の制限など)に加わることになるだろう。しかし、それ以上の措置に出ることは拒否するに違いない。中国の立場としては、かなり厳しい姿勢をとらなければ無責任な大国だとみなされかねない。その一方で、厳しい制裁措置を発動すれば、北朝鮮を極端な行動に走らせたり、「体制転換」につながるおそれがある。この両極の間で、中国は損害を最小限に抑える道を選ぶことになる。そこに北朝鮮は賭けたのかもしれない。】
 中国としても、北朝鮮の近くに北京があるわけで、北朝鮮が暴走すれば確実に被害が出ることを分かっているのでしょう。一連の見解を読めば、あたかも北朝鮮は非常に優位な立場にいるように映る。ただ、北朝鮮が追い込まれていることは事実であり、次なる核実験がないとも限らない。それは、北朝鮮が保有する核があまりに使い物にならないからでしょう。使える核でなければ、ただの見世物に終わる。金正日がそれで満足すれば、口先だけの核保有国で済むわけですが、米国も中国も北朝鮮の動向に危機感を持っている、と誤った優越感に金正日が浸っていた場合、核の精度に固執するかもしれない。何にせよ、中国の監視下にあるであろう北朝鮮が誤解を招く前に核を廃棄させることが先決だと思う。先軍政治を貫く金正日政権において、核の存在は大き過ぎる。ミサイル発射をしないことが北朝鮮が暴走していない証拠だというのも甘い考えだと思う。そもそも、金正日政権は暴走しっ放しですよ。落ち着く場所は、崩壊しかない。そこまで行きつく前に核廃棄だけでも達成しておきたいですね。


【後書き】 
 やけに長文だったことに後から気付いて、結構後半はグダグダな見解になってしまいまいたね。ただ、中国には北朝鮮を支援する理由があることを改めて知ったことで、今後対北姿勢に留まらず、どう中韓を叩くのかが日米の課題になると思いました。


【参考資料】
ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版2006年11月号【北朝鮮の核実験を中国から見ると】
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11:50 | 東亜 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

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